ウェス・アンダーソン新作の『ムーンライズ・キングダム』が、
カンヌのオープニング作品に選ばれたらしい。
カンヌのレッドカーペットのレポートはコチラ。
カンヌが許可してないので、埋め込みはできず。。。)
1分20秒くらいからが、『ムーンライズ・キングダム』チーム。
なんか、仲良さそう(笑)
で、その最新作のトレイラー。
オシャレでちょっと可愛いコスチューム。
「敢えて感」たっぷりの固いズーム。
そして、お馴染みの顔ぶれ。
(ジェイソン・シュワルツマンはサングラスしているので、クレジット見るまでは分からなかった!
すげーワイルドな感じになっているから必見(笑)
残念ながら、オーウェン・ウィルソンは出演していないようだけど。)
などなど。
トレイラーからでも、アンダーソン色がすごく伝わってくる。
脚本は、ダージリン急行に引き続き、ロマン・コッポラもクレジットされている。
そして、
『天才マックスの世界』、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』、『ライフ・アクアティック』が、
なんだか蘇ってくる。
驚いたのは、黄色のテロップだ。
黄色は、今まで(『ライフ・アクアティック』『ダージリン急行』)と似たようなカラーだけど、
ゴシック体のどっしりした文字ではなく、筆記体になってる。
その文字使いが、ちょっと新鮮だった。
トレイラーの中に、男の子と女の子が手紙をやり取りするカットが、
挿入されているから、手紙のやり取りがキーになってくるのかもしれない。
これが本編にどのように絡んでいるのかも楽しみだ。
ただ、それだけの可能性もあるけど(笑)
公式サイトによると、
映画は、1965年のアメリカ ニューイングランド沖にある小さな島で起きる、
12歳の少年と少女による恋の逃避行。
それを女の子の両親(父親はビル・マーレイ)や、
ブルース・ウィリス扮する保安官など周りの大人達が追いかける・・。
今まで現代劇を撮っていたウェス・アンダーソンが
1965年という、はっきりとした時代設定を映画に持ち込んでいるのが気になって、
ニューイングランドについてちょっと調べてみた。
まぁwikipediaですけど(笑)
以下、wikipediaより引用。
「ニューイングランド」
アメリカ合衆国で最も古い地域であり、1616年にイギリスで入植者が募集されたのが
地域名の由来。1620年からイギリスのピューリタンがマサチューセッツへ移住を始め、
各植民地を設立していった。
興味深かったのが、次の項目。
「インディアンに対する大虐殺」
もともとはワンパノアグ族やポウハタン族、ナラガンセット族、イロコイ族など、
多様なインディアン部族が領土としていた地域であり、イギリスのピューリタン入植と同時に
民族浄化の対象にされた。
マサチューセッツ湾植民地やコネチカット植民地の入植白人たちは、
この地のインディアンたちを 「狼と同種のけだもの」とみなし、植民地を挙げて絶滅政策を
採った。女子供に至る大量虐殺を 受けたインディアンたちは同盟を組んで1675年に、
白人が「フィリップ王戦争」と呼ぶ北米植民地 戦争を起こした。
この戦いは白人入植者側の圧勝に終わり、4000人を超えるインディアンが虐殺され、
酋長や戦士が残虐に処刑された。
ほとんどの部族が絶滅寸前に追い込まれ、また他州へ追い払われたのち18世紀に入っても、
イロコイ族は白人との戦いをやめなかった。植民地軍司令官だったジョージ・ワシントンは、
ニューイングランドのインディアン部族、特にイロコイ族の徹底絶滅を指示し、
彼らの集落を根こそぎ破壊する焦土作戦を指揮した。ワシントンは大統領に就任した後も、
「この地のインディアンを根絶やしにするように」と閣僚に命じてインディアン戦争を続行させた。
現在、侵略者による虐殺を生き延びたインディアンたちは、
インディアン権利団体「ニューイングランド・アメリカインディアン連合」を結成し、
合衆国政府に対して様々な権利要求を行っている。
これを読んで、なんとなく腑に落ちた点がある。
というか、間違いなく脚本を書いた二人はこの歴史を意識しているだろう。
ボーイスカウトみたいな男の子たちの制服。
ちなみに、wikipediaによると、
ボーイスカウトはイギリスの退役軍人のロバート・ベーデン=パウエル卿が、
イギリスの行く末を懸念し、将来を託すことの出来る青少年の健全育成を
目指して創設した青少年運動、と記載されている。
インディアンの印。
男の子がインディアンの被りものをしていたり、弓矢だったり。
インディアンの被りものをしているのは、ボーイスカウトの男の子だけど。
トレイラーを見ていると、
主人公の男の子は、キャンプを抜け出し、恋をした女の子に会いに行く。
まるで、白人の兵士が現地のインディアンに恋するかのように。
そう、禁断の恋。
でも二人は白人同士だ。
だから映画は、
単純に「先住民であるインディアン」と「侵略者としての白人」という構造を、
1965年の子供たちに置き換えているわけじゃない。
でも、おそらく。
ウェス・アンダーソンとロマン・コッポラの二人が
『ムーンライズ・キングダム』でやりたかったのは、「子供だちの西部劇」だろう。
主人公の男の子と女の子が、川向いに立っているカット。
(抱きあうために?)お互いが川を横断しようとするカット。
それらはトレイラーの中にあっても、印象的だ。
それに、川を渡るといったら、西部劇でしょ(笑)
そう、だから『ムーンライズ・キングダム』は、ウェス・アンダーソン流の、
ちょっとカワイく、オシャレでほろっとする「子供たちの西部劇」な気がしてならない。
トレイラーしか見てないから、全然違うかもしれないけどね!(笑)
あとはタイトルのムーンライズ・キングダム。
これは、何に名付けられているのか、ちょっと分からなかった。
リサーチ不足は否定しない(笑)
ボーイスカウトのグループ名かなんかだろうか。
インディアンと月の神話でもあるのかな。
まぁ、それは本編を見るまでのお楽しみということで、取っておこうと思う。
音楽の話には触れなかったけど、
今回も良い感じの曲を要所要所で、響かせてくるだろうと期待している。
amazonには、輸入盤のサウンドトラックがリリースされている。
ちなみに以下、楽曲リスト。
amazon.co.jp にはアーティストしか記載されてないから、ukからの転載。
音楽は、『ファンタスティック Mr.FOX』に引き続き、アレクサンドル・デスプラが担当しているようだ。
バーンスタインが、三曲入ってるのは、ウェス・アンダーソンの肝いりかな?
1. Leonard Bernstein - The Young Person's Guide To The Orchestra, Op. 34: Themes A
2. Peter Jarvis and His Drum Corps - Camp Ivanhoe Cadence Medley
3. English Chamber Orchestra - Britten: 2. Playful Pizzicato [Simple Symphony, Op.4]
4. Hank Williams - Kaw
5. Trevor Anthony - Britten: Noye, Noye, take thou thy company [Noye's Fludde, Op.59]
6. Alexandre Desplat - The Heroic Weather
7. Alexandre Desplat - The Heroic Weather
8. Alexandre Desplat - The Heroic Weather
9. Choir of Downside School, Purley - Britten: "On the ground, sleep sound" [A Midsummer Night's Dream / Act 2]
10. Hank Williams - Long Gone Lonesome Blues
11. Leonard Bernstein - Le Carnaval des Animaux: "Volière"
12. Françoise Hardy - Le Temps de l'Amour
13. Alexandra Rubner - An die Musik
14. Hank Williams - Ramblin' Man
15. Choir of Downside School, Purley - Britten: Old Abram Brown [Songs from "Friday Afternoons", Op.7]
16. Alexandre Desplat - The Heroic Weather
17. Boy soprano: David Pinto - Britten: The spacious firmament on high [Noye's Fludde, Op.59]
18. Britten: Noye, take thy wife anone [Noye's Fludde, Op.59]
19. Leonard Bernstein - The Young Person's Guide To The Orchestra, Op. 34 Fugue: Allegro Motto
20. Choir of Downside School, Purley - Britten: Cuckoo! [Songs from "Friday Afternoons", Op.7]
21. Alexandre Desplat - The Heroic Weather
日本で一日も早く公開されることを願って。
後輩
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