Leos Carax『Holy Motors』
レオス・カラックス『ホーリー・モーターズ』がユーロスペースで公開されている。
TOKYO「メルド」の2008年以来。
長編は、『ポーラX』の1999年以来。
『ホーリー・モーターズ』を見て思ったのは、こんなにステディカムを使うのかと。
カメラマンは歩いてばかりだ。
もちろん、ミスターオスカーこと、ドニ・ラヴァンも。
まずは、予告。
ドニ・ラヴァンは移動する。
控え室のような白いリムジンに乗って。
そしてアポと称する「現場」に到着すると、
彼はリムジンから降り、歩き始める。
「芝居」が始まる。
ひとしきり「芝居」が終わると、またリムジンに向かって歩き始める。
ドニ・ラヴァンは常に移動をし続ける。
テオという名の男に、ナイフで刺されても、彼は白いリムジンまで歩いて戻ってくる。
お馴染みのメルド!は歩かなきゃ怖くはない。
なんせゴジラなんだから。
移動、移動、移動・・・。
それが彼の宿命かのように、彼はいくつもの「現場」を渡り歩く。
ホーリーモーターズ自体、すごく「笑える」映画でもあるんだけど、
(例えば、メルドのブロック、殺し屋のブロックとか)
ENTRACTE(アントラクト)と、
称されるブロックで、僕はなんだか涙が込み上げてきた。
ただ、アコーディオンで、
古い教会の中を歩き演奏する長いワンカット。
そこでの、ドニ・ラヴァンの掛け声が何かのスイッチになったようだ。
めちゃくちゃカッコイイ。
これは、ソフィア・コッポラには出せないカッコよさかなと(笑)
めちゃくちゃカッコイイ。
これは、ソフィア・コッポラには出せないカッコよさかなと(笑)
そのシーンがYOUTUBEに上がっているので、貼っておく。
YOUTUBEのもカッコイイけど、やっぱり映画館で見てほしいなと。
「幕間」というのが重要なのかもしれない。
ちなみにオリジナルはコレ。
R.L. Burnside - Let my baby ride
R.L. Burnside - Let my baby ride
色々と、引っかかることが満載な映画『ホーリーモーターズ』。
歩くこと/移動すること/生きること
歩くのをやめること/移動をやめること/止まること
死ぬこと/話始めること・・・
もちろん単純な二項対立ではない。
ENTRACTEにおける、ドニ・ラヴァンの掛け声も、
そこに偶数はなかった。
それが関係あるのかないのか、知るよしもない。
僕らの間には、「機械」が存在する。
それだけは、間違いないだろう。
移動することで見せる映画にとって、
ステディカムは必須な機械であったのだろう。
映画の着想は、「メルド」におけるステディカムからかもしれない。
まぁインタビューとかレビューを全然、読んでいないので、
違うかもしれないけど。
どうでもいいけど、
HUGEがカラックスの特集をしていたのは驚いた。
もちろん、表紙はカラックス。
ちなみに今回の撮影は、2人のようだ。
キャロリーヌ・シャンプティエ Caroline Champetier AFC,
イヴ・カープ Yves Cape AFC SBC
イヴ・カープは、
ブリュノ・デュモン『フランドル』で撮影を担当していたから、
ステディカムは、彼?(彼女?)か。
はたまた別の人か。
まぁ『フランドル』は、フランス版ダルデンヌ兄弟で
憂鬱になる映画だけど。ダルデンヌよりはましか(笑)
さて最後にステディカムをwikipediaから引用してみる。
ステディカムとは、
カメラマンがカメラを持って歩いたりあるいは車載した際に、
その移動によって生じるブレや振動を抑え、スムーズな映像を録ることを目的に
開発されたカメラスタビライザー(カメラ安定支持機材)である。
スムーズな移動映像を撮影するためには、
それまではレール上の台車やクレーンにカメラを載せて移動するという
大掛かりな手段しかなかった。しかし、ステディカムの登場によって、
カメラマンが手持ちカメラのまま走ったりしても
容易に滑らかでスムーズな移動映像が撮影できるようになった。
移動撮影を行なうためのステディカム。
それは、人物の動きを追うのに適している。
『ホーリーモーターズ』において、
そのシーンはとても滑らかで、美しくもある。
後輩
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